最近よく思う。
人の服装等を軽率に褒めたい、と。
知らない人でも褒め合う文化のある海外に憧れているわけでもなく、
人を褒めてお礼を言ってもらって気持ちよくなりたいわけでもなく、
ましてや人を褒めることによって逆に自分も褒めてほしい、というわけでもなく。
「うわ、めっちゃ素敵ー!!!」
と思ったときにそれをただ口に出したいだけ。
それだけなの。
現状はグッと我慢しているので。
美味しそうなものを見たら、つい
「うわうまそー」
と言ってしまうわたしなので、
たぶんもう数年もすれば勝手に人の服装とかも褒めちゃう気がする。
最初の一歩はいつになるんだろう。
そう思っていたら、意外とわかりやすいチャンスっぽいものが訪れた。
手芸屋さんの帰り、薬院駅から渡辺通の間付近をテクテクと歩いていると、
カラフルなお召し物を身に纏ったオシャレお姉様(たぶん70overの方)が
目の前をゆっくり歩いていた。
すごく素敵だった。
昔からおしゃれなんだろうな、そう思わされるような素敵なお洋服。
つい声を掛けたかったが、お姉様は少し前を歩いている。
ゆっくり歩いていらっしゃるので、すぐに追いつけそうだ。
と、わたしが一歩踏み出したその時。
お姉様、
片側二車線の道路を斜め横断し始めた。
ああああああああぶなっ!!!!!!!
そこそこに車が通る道を、
ゆっくりゆっくりと斜め横断していくお姉様。
車の方が気を遣ってゆっくり通って、なんなら止まって、
お姉様を避けていく。
もう少し先には横断歩道があったのだけれども、
そんなこと関係無いかのように、
できる限り車道の上を歩こうとするかのように、
斜めに斜めに歩いていくお姉様。
声をかけようとしたまま
なんとなく宙に浮いたままのわたしの左手。
何かを目撃しないように、
だけど無事を確認するために、
お姉様に釘付けになったわたしの目。
無事対岸に着いたのを見て、
もうちょっと早めに声をかければ良かったのかと思ったけど、
声をかけた後に斜めに渡られても困るし、
わたしには全然関係ない。
素敵だなぁとは思ったけれど、
違う意味で目に焼き付いてしまったカラフルなお召し物。