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悲しかったクリスマスプレゼントの思い出

クリスマスって大人になった今でもワクワクしてしまうが。

一度とてつもない悲しい思いをしたことがある。

 

小学一年生くらいの頃。

わたしはピアノ教室に通っていた。

 

ピアノ教室では年に何度か発表会があり。

クリスマス近くの日には発表会に合わせてクリスマス会があった。

 

発表会で日頃の成果を発表したあと、クリスマス会でプレゼント交換等をするのが恒例だった。

 

クリスマス会のメインといえば、なんといってもプレゼント交換会。

交換するプレゼントは金額が決められており、みんな事前に親と買い物に行くものだった。

 

詳しくは覚えていないけれども、たぶん金額設定は500円くらいじゃなかっただろうか。1000円まではいかなかったと思う。

そして、ピアノ教室の生徒には男子も女子もいたので、プレゼントは「男女どちらがもらっても良いもの」にしなければならなかった。

 

わたしはクリスマス会が楽しみで、発表会なんてどうでもよくて。

母とワクワクしながらプレゼント交換用のプレゼントを買いに行った。

 

当時ポケモンが異常に流行っており、ポケモングッズであれば男女ともに喜んでくれるんじゃないか?ということでポケモングッズにしたような気がする。

誰がもらうかわからないけれど、喜んでくれたらいいな!というような会話を確かにした。

 

そしてクリスマス会当日。正直言って発表会の記憶はほとんどない。

その後の出来事の方が強烈に記憶に残っているために、忘れてしまったのかもしれない。

 

発表会が何の問題もなく終わり。クリスマス会が始まった。

 

念願のプレゼント交換会では、生徒が円になって座り、先生のピアノの音に合わせてプレゼントを回して行く方式がとられた。

 

 

テンションが上がる生徒たち!

リアルにキャッキャと言いながら、音楽に合わせてプレゼントを回していった。

 

    

 

 

 

自分の手で回していくプレゼントの色とりどりの包装紙が、どれをもらっても素敵なんだな、と思わせてくれた。

 

『わたしの手に残るプレゼントはどれなんだ!どれにしろ嬉しい!』

 

しばらくすると音楽が止んで、持っているプレゼントが自分のものとなる。

 

『これだ!これがわたしのプレゼントなんだ!』

 

目の前のプレゼントを手に取ったまわりのみんなは、すぐさまプレゼントを開封し始める。

 

「あっ!それわたしが買ったやつ!」

「これ〇〇ちゃんが買ったの?ありがとう!」

 

周りではそんな会話が繰り広げられている。

 

『あ、わたしのプレゼントは〇ちゃんが持っている!

 いいなぁ、あれはわたしも欲しいくらいだったんだよな…。』

 

自分が受け取ったプレゼントをすぐ開封するのはお行儀が悪いと母に怒られるかな?と思い、ちらっと母の方をみるも、微笑んでいる。

周りの子もみんなプレゼントを開封している。

 

『あ、じゃあわたしも、いいんだ!

 開封して、いいんだ!』

 

そう思って、多大なる期待とともに、目の前のプレゼントを、開けた…。

 

開けた…。

 

出てきたのは。

忘れもしない。

 

 

 

 

 

 

歯ブラシセット。

 

キャラクターなど何も付いていない、

無地の歯ブラシセット。1つ。

 

半透明のプラスティックの入れ物に入った、歯ブラシと歯みがき粉のセット。

 

たしかクリアクリーンだったような気がしている。こういうやつ。

プレゼント用の見えない袋の中に、歯ブラシセットが剥き身で入っていた。

外装は無かった。

 

ワクワクしながらプレゼントの袋の上を広げ、手を入れて取ったらつるっとした表面のものが手に触れた。

出したら歯ブラシセットだった。

袋を上からのぞいたけど、他に何も入っていなかった。

 

「呆然」というのはまさにこのことなんだな、と思えるほどの呆然がわたしを襲った。

 

周りの子はピカチュウだのなんだのではしゃいでいる…。

わたしの目の前には…無地の…歯ブラシセット…しかない…。

 

「これ、本当に買ったのかな?」

「家にあったものを入れてないよね?」

「買ったとしても絶対500円しないじゃん!」

「なんでわたしのにはピカチュウついてないんだろう」

「これ以外のプレゼントならなんでもよかったと思う」

「これでも喜ばないといけないんだろうか」

「わたしが買ったプレゼント、そのまま欲しかった」

「なんでわたしのだけこんな実用的なものなんだろう」

「普通せめてキャラクターがついているやつにしない??」

「男の子でも女の子でもいいプレゼントって…悩むけどこんなのあり?」

「プレゼントに歯ブラシ…」

 

今まで味わったことのないあらゆる感情がわたしの中を駆け巡っていた。

 

そのまましばし歯ブラシセットを見つめた。

見つめていたが、ピカチュウの何かだか、可愛いハンカチだかに変わる気配はなかった。

 

 

他の子達が「お母さん見て見てー!!」ともらったプレゼントを自慢しに行く中、座ったままのわたしを心配してか母がわたしのところに来た。

 

「何をもらったの?」

優しい母の顔に、喜べない自分が悪いのかと思った。

「これ…」

と言いながら歯ブラシを見せることしかできなかった。

「あらー…」

母としても少し予想外だったのか、その後の言葉が出てこないようだった。

 

 

少し遠くから、名前も知らない男の子がこちらを伺っていた。

たぶん、その子のプレゼントだった。

 

本当は泣き叫んで暴れたい。

悲しい。

だけど、わたしが悲しむとその男の子も悲しい思いをするんじゃないのか。

 

なんでわたしだけこんな目に合わないといけないのだ。

 

そう思ったけれど、これも誰かが喜ぶだろうと思って買われたのかもしれない。

子供向けの、クリスマスの、プレゼント交換会で歯ブラシセット…。

親御さんが実用的なものがお好きな方だったのかもしれない。散々の配慮の結果だったのかもしれない。だけど、子供の意見は一切聞いていないであろうことはわかる。

 

小学生へのクリスマスプレゼントに、予算が少ないとはいえ、無地の歯ブラシセット一つは…。

 

その日、あらゆる感情を飲み込んで、わたしは大人になった。

だけどなぜか、ほんのちょっとポケモンが嫌いになった。

 

 

当時の歯磨き粉がクリアクリーンだったかどうかは定かではないんだけれども、

いつの頃からか、今でもクリアクリーンを見るたびに思い出す。